【第7回パラミタ陶芸大賞展大賞受賞(2012’)】2010年に母を亡くし、
ものづくりとして何か形にしたいと言う想いが自分の中に沸き上がりました。
それは『生命の連鎖』です。今、私はここにいる。母から受け継いだ命、そしてまた子へ継いでいく命。
これを表現したいと思ったときに、包み込む形である壷形、それは命を包み育む子宮の形でありました。
子宮は子壷とも言われます。生命を育む聖なる子壷の水と、アトリエの眼下に拡がる琵琶湖の水とが重なり、
『生命の根源』のテーマの下、この「膨胎」という膨らみ開く形の一連作品が誕生しました。
膨胎Ⅰ~Ⅴ フォルムは命を育む胎をイメージし、堆磁で動脈、静脈、DNA螺旋を表現しています。
膨胎Ⅵ 徐々に膨らみ開いていきます。
膨胎Ⅶ 作品の口元の内から外にかけてなめるように施された堆磁の線は、装飾と造形を一体化させています。
膨胎Ⅸ この作品は息子が生まれた時に医者から見せてもらった胎盤の動脈、静脈のイメージと生命の源、水を湛えた母なる琵琶湖のイメージを重ねています。
膨胎Ⅹ 連綿と繋がる生命の連鎖を表現しています。